違法ジビエとは?

野生鳥獣を解体、精肉、販売するには食肉処理業と食肉販売業の許可が必要です。

また燻製、ハム、ソーセージなどに加工する場合は食肉製品製造業の許可が必要です。

これらの営業許可を得るためには食品衛生法に基づき定められた施設が必要です。


よくある話しですが

「狩猟免許を持つ飲食店の店主が猪や鹿、雉鴨を獲って山の中で捌き客に提供した」

「自分で獲った猪や鹿を山の中で捌いて友人に売った」

「自分で獲った猪肉や鹿肉で燻製、ハム、ソーセージを作り販売した」

「親戚の叔父さんが山で解体した猪、鹿肉をもらい自分の経営する飲食店で客に提供した」

「食肉処理施設から出荷されていない肉と知りながら購入し、

 自分の経営する飲食店で客に提供した」


これらは全て食品衛生法違反です。

ハンターが自分の獲物を保健所の認可を受けた施設以外で捌き、

「販売」すると食品衛生法違反になるのです。


ハンターに許されるのは山の中での放血(血抜き処理)のみです。

食肉処理施設以外で内臓摘出や皮剥、解体をした獲物の肉は

「食肉」としてみなされません。

(内臓摘出はやむを得ない事情があれば認められています)


違反した場合

2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」です。


     厚生労働省  野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)



私はジビエを売ろうと思ったとき、ふと考えました。

自分が売った食材で食中毒がでたらどうするの?と。


このままでは食べた人はもちろん、卸先のお店にも迷惑がかかります。

責任の所在がはっきりしていないのです。

牛肉ユッケを食べて人が亡くなることだってあるんですから、何が起こるかわかりません。


そこで私は自費を投資して処理施設を作り、広島市保健所の許可を受けました。

もちろん「食肉処理業」と「食肉販売業」の両方です。


ところが街には自分で獲ったり、処理施設で処理されていない肉を販売、提供しているお店が

まだまだ沢山あります。


山の中で内蔵を出し、生活排水が流れ込む川に漬けたものをベニヤ板の上で捌いて平気で売っています。

また大半の猟師が獲ったその日のうちに精肉して山分けするので硬く、風味の薄い肉になります。


動物は死んだ瞬間から死後硬直が始まります。

この時に骨から肉を外してしまうと骨のつっかえがなくなり硬直がより進みます。

死後硬直している肉をそのまま冷凍すれば硬い肉になってしまいます。


また捕獲したその日に解体した肉はタンパク質がアミノ酸に分解されていないため風味が薄くなります。


この状態を回避するには捕獲後に素早く肉を冷やし、死後硬直が解けるまで低温で保存しなければいけません。


ところが、ほとんどのハンターが脱骨していない獲物を丸ごと入れられる大型冷蔵庫を持っていないため捕獲当日に解体,精肉までしています。


こういったずさんな処理は肉の不味さに直結します。


自家消費ならそれでいいのです。

食べた人は「ジビエは臭い!硬い!」という観念をもってしまいますが。

(こういう肉を食べた人は二度とジビエを食べようとは思いませんね)






























山の中の猟師小屋の中ではこんなふうに捌かれています。

もっと酷いところでは地面に置いたまま捌いたり、冷却もしなかったりします。


本当かどうか? 実際に狩猟をされていない方は見たことがありませんね。

試しに「猪 解体」「鹿 解体」などのキーワードで検索してみてください。

川や濁った池に獲物を浸けるのはもちろん薄汚れたベニア板の上、ブールシートの上、軽トラの荷台、ひどい例ではそのまま地面で解体している画像が無数に出てきます。


例えばこれが、牛肉なら? 豚肉なら?

このように解体された肉がスーパーに並んでいたとすれば?

あなたは食べることができますか?



夏の有害鳥獣駆除が行われる季節には気温は何度でしょうか?

そんな時、山の中にはどれだけのハエが飛んでいるでしょうか?

それでも彼らは手袋さえしていません。

獲物の皮を剥がすため、十分に洗浄もしていない雑菌だらけの毛皮を握った同じ手で肉を触ります。

血がついたナイフや手を新聞紙で拭いたり、小川で洗ったりします。


表面に雑菌が付着した肉は数日置くと「熟成」ではなく「腐敗」します。

これが臭いジビエの原因です。



今までの多くのハンターがジビエを食べる方に与えてきたイメージは「ジビエは臭い!、硬い!」なのです。


そしてこのような肉を販売することは、 違法行為をしておきながら「ジビエ」と宣伝して売り、投資もせず、消費者に対して責任ももたず、不当に利益を得ることなのです。



現在では日本の多くの地域でジビエの食肉処理施設ができています。




ぜひ安心、安全なジビエを召し上がってください!